
岸本学
MEDIA:キャンバスにアクリル、油性マーカー
YEAR :2020
提出作品の解説
肌の色や人種や身なりなど、人は無意識的に外見的な要因で他者をカテゴライズしてしまう。
しかし本当に知るべきものは塗り重ねた外見ではなく、その厚みの奥底に潜む内面である。
この作品は漆塗りの研ぎ出しという手法を元に塗料を何層にも塗り重ね、それを削っては塗り、また削ることで外見的な要因に囚われない人間の内面的な色を表現しています。
余分なものを全てを削りとった先に見えてくるものこそが物事の本質である。
現代美術家
1990年 大阪府南河内郡生まれ、東京都在住
立教大学 現代心理学部 映像身体学科 卒業
自身が生きてきた中で「圧倒的にカッコいい」と感じた音楽、デザイン、造形、人間性の記憶を元に多角的な角度から「祈りのアップデート」をメインコンセプトに作品を制作している。
大学卒業後はデザインや司会業など一つの仕事に縛られずに常に別分野の領域を横断しながら、そこで培った経験や記憶を作品に反映させている。
日常の何気ない情景の中にふと浮かんでくる些細な感情、社会問題や人間の普遍的な欲望。
ミクロからマクロまで、そこで生み出される様々な「祈り」にフォーカスしながら漆塗りの「研ぎ出し」という手法にインスパイアを受け、重ねて削ってを繰り返しながらアクリル、スプレー、マーカーなど様々な道具を用い「圧倒的にカッコいいもの」を作り続けている。