
若佐慎一
MEDIA:和紙に岩絵具
YEAR :2020
提出作品の解説
招き猫は古くより日本で願いの対象でした。その招き猫の背景には太陽の様な光が放射線状に出ていて、それ自身からは光が溢れかえっています。
それらのイメージは私自身が幼少期より美的感覚の形成に大きな影響を与えたアニメ「ビックリマン」のオープニングから受けたインパクトの記憶のイメージにより生み出されました。
ビックリマンは登場人物に天使や日本武尊と素戔嗚尊をモチーフにした主人公、ブッタや七福神とあらゆる宗教の垣根を越えた登場人物達によるアニメで、当時の私にはとてもカオスで、それが美しくも見えていました。
そのカオスの中に産まれる美をこの招き猫に重ねて描きました。
黒い招き猫は疫病退散の意味もあります。このコロナにより、更に混沌を極めている時代に於いて、少しでも人の心の助けになる事を願うばかりです。
1982年広島生まれ。美術作家。広島市立大学大学院日本画修了。
大学で日本の伝統画法を学び、卒業制作を同大学の首席に当たる買い上げとなる。
卒業後、月刊美術主催公募展「デビュー」にて準グランプリ受賞。
その後国内外問わず発表の場を広げ、伝統工芸の「長艸繍巧房」への原画提供や、NYのファッションブランド「sawa takai 」、でんぱ組.incの相沢梨紗が手がける「MEMUSE」とのコラボなど多岐にわたる活動を見せる。
近年は横浜駅直結の複合型エンターテイメント施設「アソビル」で巨大壁画を制作する。