
Yuka NishidaMEDIA:アクリル染料、石州和紙、キャンバス
YEAR :2021
提出作品の解説
日本は、四季の明確な変化と海に囲まれ火山によって形成された地勢により多様な風土が存在する。北向きの日本海のように波が立ち荒いわけではない。それでも、いわきの海岸の断崖に打ち寄せる波には、近寄りがたい雰囲気がある。2020年 ドイツからの帰国後、いつ終わるかわからない社会不安が取り巻くなかに見た、日本の自然の多様性と美しさを改めて認識。季節や天候によりうつり変わる自然の幾通りもの姿から、人も「あり方はそのままに変容していけたら」と感じ、”いつもそこにあるが常に同じではない” のコンセプトのもと制作。素材には島根の産品である石州和紙を活用し、裂き、皺入れ、つなぎ、染め、変調などの技法により、日本の自然美をアブストラクト表現に転化させる作品作りをしている。島根の石州和紙は天然のトロロアオイと縦漉き技法により作られることから、様々な二次加工に耐えることができ、産地では神楽面や蛇胴にも使用される程の強靭さを誇る。
1984年京都府生まれ。ベルリンと藤沢を拠点にしている。
海外市場向けに、イン/アウトバウンド プロモーションのクリエイティブディレクターを経て、2017年から作家として活動開始。
2021年に合同会社 現象舎を設立し、日本の様々な地域のものづくりや食文化のブランディング・プロモーション事業を行うかたわら、継続的に作家活動を行う。
また、ベルリンの Monopole に見るリーガルスクワットハウスにおけるアートのあり方に感銘を受け、空き家を活用したビルドアップから始めるスタジオづくりを開始。
媒体や技法にとらわれない “Capture the Source” プロジェクトにも着手している。