
望月宗生MEDIA:鉛筆、パステル、アクリルガッシュ
YEAR :2021
提出作品の解説
私が日頃生活する中で感じている社会の課題のひとつに女性差別があります。 日本において伝統的・構造的に、女性達は自分の主張を抑圧されたり我慢しなくてはならないシーンが多々存在します。 無条件に見下されたり、女性としてあるべき姿を強要されたり。その窮屈さはまるで拘束具を装着させられているようです。しかし女性には女性の強みがあり、それは尊重されるべきだし、その強みが発揮されてこそより良い社会になっていくでしょう。 そこで私は絵の中の女性に、地球上で最も強い生物である“恐竜”を身につけさせました。 恐竜ほど強さのシンボルになるものはないからです。 この姿は「男性中心の社会の中でも負けない」というスローガンです。 拘束具を装着されている現状だけど、それでも恐竜(強さ)を身につけて活躍しようというメッセージの絵になります。 理屈的な在り方が成熟した社会において、共感や感性、コミュニティの力といった“女性性”が潰されることなく力が発揮される。 これからの世界でこの女性性は必要不可欠な力であり、あらゆる場面において重要な課題だと考えます。 私のアートを通して、現在どのように女性が認識されていて、 そして女性性の尊重がなされているかどうかを考えるきっかけになれば幸いです。 今回の作品では恐竜型ヘッドホンと首輪を装着した女性をモチーフに、左側にユニークナンバーを表現しています。ナンバリングによって被写体が漠然とした肖像ではなく「特定の誰かである」というリアリティを感じさせ、コンセプトをより強く意識できるものにしました。
武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。
現代アーティストとして女性と恐竜をモチーフにした鉛筆画を描く。
国内外で作品を発表、日本以外ではニューヨーク、ロサンゼルス、イタリア、台湾など。
企画展をベースに海外アートフェア、大手百貨店、美術賞、音楽フェスにも出品している。
また、企業案件・コラボも多数経験。オフィスや飲食店の壁画デザイン、アパレルブランドとのコラボ、キングコング西野亮廣氏著書・絵本「みにくいマルコ」にイラスト掲載など、展示以外ににもジャンルを越えて幅広く活動している。
COCO GALLERY所属。